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フュアーハンドの176Lu。戦争を生き抜いた超絶希少モデル。

2025.05.27

世界史が好きです。


かつおどりです。


学生時代、世界史のテストで満点を取ったことがあるくらいには好きな教科なわけですが、やはり時が経つと知識も忘れていってしまいます。

ということで、最近もう一度勉強し直そうと思っているところです。

そんな折も折、第二次世界大戦という歴史的重大事件に使用されていた超貴重なランタンが入荷してきましたので、勉強がてらご紹介していきたいと思います。






フュアーハンド『176Lu』

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今回ご紹介するアイテムは、FEUER HAND(フュアーハンド)の176Luです。


フュアーハンドといえば、アメリカのデイツ社と双璧をなすドイツの老舗オイルランタンメーカーです。

フュアーハンドは1893年に創業しました。

アメリカのデイツは1840年に操業しており、フュアーハンドはデイツを追いかけるような形で対立していきました。


フュアーハンドのオイルランタンは嵐の中でも火が消えないという構造からハリケーンランタンとも言われております。

今回入荷した176Luというモデルもハリケーンランタンですが、他にはない特徴的なデザインをしております。


それもそのはず。

このランタンは第二次世界大戦でドイツ軍向けに作られた特殊なモデルなのです。




第二次世界大戦使用モデル

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176Luの特徴を説明する前に、まずはこのランタンの時代背景を深堀りしていきたいと思います。


今回入荷の176Luは第二次世界大戦でドイツ軍によって使用されていたランタンです。


フュアーハンドには軍用モデルがいくつか存在しており、その軍用モデルたちが現在で人気の高いランタンになっています。

対して、フュアーハンドのライバル的存在のデイツには実はフュアーハンドほど軍用モデルが存在しておりません。

デイツのモデルは民間用・商業用などに作られたものばかりです。


軍用モデルの少ないデイツに比べて、フュアーハンドのランタンに軍用モデルが多く存在している背景には、当時のドイツの国家体制が関係していることが考えられます。




ナチズムと財政難

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第二次世界大戦時、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツはナチズム(国民社会主義/国家社会主義)という国家体制でした。

ナチズムの思想は一種の資本主義やナショナリズム的側面が包含されていますが、その中で、軍国主義思想がフュアーハンド社にも大きく影響していたことが想像できます。


軍事力ひいては国家を最優先に考える当時のドイツは、軍需産業のみならず、民間企業であっても軍・国家最優先でなければなりませんでした。

戦時中はどの国もそのような思想ではありますが、ドイツは第一次世界大戦の敗戦国であり、莫大な借金と壮絶な資源不足のため、ほぼ全ての物資が軍に配給されていました。


特に鉄などの金属はほとんど武器や軍用品に回されていたため、市民の手に渡ることはありませんでした。

フュアーハンドのランタンも例外ではなく、事実、1940年代頃の民間用のフュアーハンド製ランタンはほぼ存在しておりません。


そういったところからも、ナチズムの影響を受けたフュアーハンドは他国のランタンメーカーより軍用モデルが多いのだと考えられますね。


ちなみに、デイツの製造国であるアメリカは共和主義国家であること、第二次世界大戦参戦が2年ほど遅かったこと、債権国であることなどから、民間企業はある程度軍支給品と民間用を区別できていたことが考えられます。

コールマン社などはGIランタンやGIストーブなどを軍に供給しておりましたが、そんな中でも民間用のガソリンランタンもしっかり製造しておりました。






モデル『No.176Lu』

さて、ここから176Luの特徴をご説明していきます。

176Luはドイツ国防軍に支給されていたモデルにになります。

ドイツ国防軍とは、陸軍・海軍・空軍の三軍の総称ですが、なかでもこのランタンは陸軍に支給されていたものであると言われています。




防空用ランタン

モデル名にあるLuとは、「LUFTSCHUTZ」というドイツ語の略で、日本語では「防空」という意味です。

つまりこのランタンは空襲に備えて設計されたランタンだということです。


当時のドイツでは灯火管制が行われていました。

灯火管制とは、空襲に備えて夜間に灯火を消したり覆ったりして、光が漏れださないようにすることです。


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グローブ上部には、上方向に光が漏れないようなフードが設計されており、さらにそのフードは手動で上下に動かすことができます。

このことで、点火させた状態でも光の漏れを最小限に抑えることができるのです。


また、176Luはフュアーハンド史上最小サイズの75atomと同じ2分芯を使用するモデルで、少ない燃料でも長時間点灯し続けることができます。

資源不足だった当時の状況からも実に理にかなった合理的なランタンであるといえますね。



余談ですが、、

灯火管制はこういったランタンのみならず、街中の街灯などのあらゆる灯火に対して行った施策です。

ただ、第二次世界大戦においてはこの灯火管制はあまり効果を発揮しなかったそうです。

第一次世界大戦においては非常に有効な施策でしたが、第二次世界大戦では技術進歩が凄まじく、戦闘機には高性能なレーダーなどが搭載されるようになったので、光が出ていなくてもある程度検知できていました。


とはいえ、ドイツの主戦場ともいえる対ソ連の東部戦線は湿地帯が多く、些細な光の視認性が重要となってきますので、このランタンによる恩恵は少なからずあったように思います。




マッシュルームヘッド

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176Luのベンチレーターは半円のボールのような笠が付いており、その特徴的な形状から通称「マッシュルームヘッド」と呼ばれています。

軍用モデルのランタンにはいくつかこのマッシュルームヘッドが採用されていますが、通常のベンチレーターやストームカッペモデルよりも雨や水滴がランタン内部に入りにくい形状になっております。

また、通気口の隙間から光が漏れることも無いので、そういったことから、マッシュルームヘッドのランタンは全て陸軍に支給されてたモデルなのではないでしょうか。




戦後から刻印が違う

フュアーハンドのランタンには製造国の刻印がありますが、1945年までの個体には「MADE IN GERMANY(ドイツ製)」の刻印。

1945年以降のモデルには「W.GERMANY(西ドイツ)」の刻印が施されています。

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↑↑1945年までのモデル


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↑↑1945年以降モデル


これは、第二次世界大戦後、ドイツの東側はドイツ民主共和国として、西側はドイツ連邦国として分断されたことに由来しています。

フュアーハンドの工場はドイツ連邦国にあったため、西ドイツの刻印が施されるようになりました。

現行で発売されているランタンも西ドイツからの名残でW.GERMANYの刻印がございます。


西ドイツ製の方がより近代モデルなので、ドイツ製の方が希少価値や人気が高くなっております。






気になる状態

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ヴィンテージ品のため、軽微なサビや塗装剥離などが見受けられますが、各可動箇所はスムーズですし点火も問題ございません。

ヴィンテージ特有のほどよい経年であるといえます。他に大きな損傷などはなく、総合的には比較的良好な状態です。


グローブには印字などはなく断面も綺麗であるためおそらくはリプロ品であると思われます。


フュアーハンドのランタンの中でも流通している数の非常に少ないモデルです。

お探しだった方、気になった方はぜひお早めにご検討ください。






商品詳細!

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アイテム   オイルランタン/ハリケーンランタン

ブランド   FEUER HAND(フュアーハンド)

製造年月   推定1940~1942年

ライン    NO.176lu

状態     塗装剥離・サビ有

備考     WW2ドイツ国防軍使用モデル マッシュルームヘッド

お問合せ番号 5501004218897-410

販売価格:¥220,000税込(¥200,000 税抜)

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