投稿日:2024.05.23
近年のアウトドアブームから、登山は始めてみたい!という方が多いのではないでしょうか?
ただ、登山を始めたいけど、何から揃えたらよいか分からない。
どれくらい用意したらいいの?
というお声をよく聞きます。
とても楽しいスポーツですが、自然の中で遊ぶのでたくさんの危険が潜んでいるのも事実。
しっかり準備して、快適に登山を楽しみたいですよね!
ということで今回は、これから登山を始めたいと思っている方に向けた登山を安全に快適にする為の基本的な装備についてまとめました。
必要性をしっかり理解して、自分の登る山に合わせたアイテムを選んでいきましょう!
目次
必ず揃えたい必須アイテム「山の三種の神器」
まず最優先で揃えたい「山の三種の神器」という必須アイテムで、トレッキングシューズ・レインウェア・バックパックの3つ。
なぜ三種の神器かと言うと、ケガや病気に繋がる危険から身を守る為の必須アイテムだからです。
それではひとつづつ見ていきましょう!
トレッキングシューズ
登山は基本的に「足場の悪い斜面を歩き続けるスポーツ」です。
そのため歩きやすさに直結する靴は、スニーカーではなくトレッキングシューズを選びましょう。
初心者の方は比較的軽く、足首付近まで靴が覆っているミドルカットタイプがおすすめです。
ミドルカット以外にもくるぶしを保持しないローカットや、くるぶしの上までホールドするハイカットなど
様々な種類がりますが、初心者の方はまず、ソールが柔らかめで歩きやすいミドルカットの購入をおススメします。
ハイカットモデルになれば、足首のホールド感が高まりより安全な装備となる一方、重量が重くなる、ソールが硬くなり慣れないと歩きにくいというデメリットがあります。
また、森林限界地を超えない標高2000m未満や、ザレ場・岩場のない山ではオーバースペックになりやすい為、初心者の方は登山経験のステップアップの後に検討していって下さい。
どれくらい靴に負担してもらうのか、登る山や自身の体力によって適切なものを選びましょう。
レインウェア
山の天候は変化が激しく、急に雨が降り出す事は当たり前です。
登山では傘をさして登る事は出来ないので、雨具(レインウェア)がとても重要なアイテムです。
急な急な雨で濡れた状態+冷えから起こる低体温症防止はもちろんですが、雨が降っていないタイミングでも風を防ぐ防寒着としても役に立ちます。
登山で使用するレインウェアは、ポンチョタイプではなく、上下セパレートのモデルがおススメです。
ジャケット、パンツと別々で着るセパレートタイプは、防寒着として別々で着れる点や、歩きやすさなどを考慮していますが、一番の理由は山の雨は【下からも降る】為です。
山は森の中だけでなく、高い木のない開けた稜線や尾根など、風が吹きっさらしの場所もあります。
強風時は、雨が風で巻き上げられ、下方向からも雨が吹き付ける事があります。
ポンチョタイプのレインウェアだと、巻き上がった風で雨が吹き込み、結局全身ずぶ濡れになってしまう事もあるので、登山ではおススメしません。
一方、雨の巻き上げがあったとしてもセパレートタイプであれば、ポンチョタイプのように捲れる事なく、雨・風を防ぐ事が出来ます。
また、従来のレインウェアの生地は、雨は防げるけど蒸れて暑い物がほとんどでしたが、登山用のレインウェアは、蒸れにくくしっかり雨も防いでくれる防水素材を使用したモデルがありますので、お値段は少し高いですが、【GORE-TEX】等の蒸れにくい素材を使用したレインウェアを購入される事を強くおススメします。
晴れの日しか登山しないから、、、。
という方もいらっしゃいますが、山の天候は読めないところもありますし、防寒用など万能なウェアとして多用途に使えるので、ひとつ持っておくと安心です。
バックパック
重たい荷物を長時間運ぶことも登山の醍醐味と言えますが、少しでも快適に運びたいですよね。
容量やフィット感など各社ラインナップが多数出ているため、登り方や身体との相性からぴったりのモデルを見つけてみて下さい。
トレッキングシューズや、ウェアと同じように、自身の背面サイズに合ったバックパックを選ぶ事が大切なので、バックパックの見た目だけでなく、バックパックはフィッティングがとても重要です。
フィッティングについては、店舗にご来店いただいた際にスタッフまでお気軽にお問合せ下さい。
背面長に合ったサイズのバックパックを選ぶ事で、バックパック本来の機能を100%引き出す事が可能です。
バックパックのサイズ(容量)選びは、簡単に言うと、持ち運びたい物の量で決まります。
「バーナーなどの火器で自炊するか否か」「必要な水分・食料」「シーズンによるウェアの量」などが、バックパックのサイズ(容量)を選ぶ際に考慮したい事柄です。
初心者の日帰り登山としては、ある程度上記の荷物が入りきる20~30L程度のモデルが使いやすいのでおススメです。
シーンによって使い分けたいウェア
三種の神器で最低限の必須アイテムはご紹介しましたが、登山はどんな格好で行ったらよいのでしょうか?
山では標高が100m上がると、気温は約0.6℃下がると言われており、気温や天候によってウェアを脱ぎ着しながら登る事が一般的とされている為、登山口~中腹~山頂と標高差があればある程、気温への対応が必要になります。
そのためレインウェア含めて防寒対策の為に4着ほど異なる性質を持つトレッキングウェアを持っておくと安心です。
脱ぎ着することを「レイヤリング」と言いますが、登山では「レイヤリング」で上手にウェアを使いこなせると疲労軽減、安全登山にも繋がります。
以下では各ウェアの特徴をご紹介しますので、登る山の標高や季節に応じて持ち物の参考にしてみて下さい。
ベースレイヤー(肌着)
肌に一番近くに着るいわゆる肌着。
肌から汗を吸い取って、体表から水分を離す事で、汗冷え防止・ドライな状態をキープする事が出来る機能性ウェアです。
より快適なレイヤリングをするにはベースレイヤーの下に着る「ドライレイヤー」もあります。
また、冬場など寒い時期はメリノウール素材のベースレイヤーもありますので、季節に応じて変えていきます。
ポリエステル100%かウールを使用したモデルを選ぶと良いでしょう。
綿が入っているウェアは、汗冷えを引き起こしますので使わないように注意して下さい。
ミドルレイヤー(中間着)
ベースレイヤ-の上に着るシャツ・フリースなど、主に保温性の役割を持つアイテムの事を指します。
主な機能としては、上がってきた水分を乾かす通気性と、身体を保温する役割です。
時には薄手のダウンジャケットなど気温や標高によって、持っていくタイプをあれこれと変えて持っていきま
す。
アウターレイヤー(上着)
レインウェアやウィンドブレーカー、ハードシェルと言った一番外側に着るウェアの事を指します。
機能としては雨風や雪などから身体を守ります。
レインウェアは雨風を防ぎ保温もしてくれる一挙両得なアイテムですが、激しい運動時は通気性に少し難がある為、汗抜けの高いソフトシェルを用いたり、より軽量でコンパクトなウィンドブレーカ-を持っていくなど、シーンによって使い分けましょう。
あると便利なアイテム
ここからはあると登山がもっと安全に快適になるアイテムをご紹介します。
余裕をもって歩けるようになりますので、ぜひ揃えてみて下さい!
帽子や手袋
登山でよく起こる症状に日射病があります。
標高が高くなるにつれて直射日光からの影響も大きくなるので意外とあなどれません。
また岩場に手をついた拍子に切ってしまったという話も。
帽子や手袋も安全に登山する上では重要なアイテムです。
季節に応じた素材や保温性のあるアイテムを使い分けるとより効果的です。
トレッキングポール
生涯スポーツの登山ですが、一説によるとトレッキングポールを使用した場合と使わなかった場合で登山寿命が20年近く伸びた。との話もあるほどあると便利なアイテム。
慣れてしまえば脚への負担をポールに分散できるので、安定して昇り降りができるようになります。様々な種類が発売されておりますが、素材にカーボンを使用しているモデルは非常に軽く扱いやすいのでオススメです。
ヘッドライト
たとえ日帰り登山であっても、予定通りに行動できなかった場合などで日が落ちてしまうと真っ暗の中での登山になります。
前が見えなくてケガをしてしまわないように、ヘッドライトは常に携帯しておくと安心です。
さらに念のために交換用電池も用意しましょう。
バーナーやクッカー
山の上でのカップラーメンほど美味しいものはなかったと筆者の実体験でも感じていますが、標高が高く冷える山頂での暖かいラーメンは格別です。
自炊をするには食材と調理器具を持っていかなければならないので持ち物は多くなりますが、せっかく登山をするならあの美味しさを是非味わっていただきたいと思います。
選ぶ基準は「何人で使うのか・湯を沸かすだけか調理もするのか」でクッカーの大きさやどれだけ安定感のあるバーナーが必要かが変わります。
その他
〇常備薬・救急セット
山は気温や天候の変化が激しいので、急な体調不良やケガに備えて常備薬や救急セットは持参しましょう。
また地域によっては、ヒルよけやポイズンリムーバーなどのアイテムも用意すると安心です。
〇地図
日本のほとんどの山は管理が行き届いており、標識などが必ず設置されていたりしますが、万が一の時は地図が必ず必要になります。最低限の備えとしても、登る山の地図は必ず携帯しましょう。
〇日焼け止め
山の紫外線量はかなり多く、肌の弱い人は日焼け止めは必須です。また森林限界地を超える標高2000m以上の山では、日を遮る物がないので対策は必要です。
〇小銭(現金)
山小屋での会計時や、有料トイレの支払いなどは基本現金のみです。時にトイレは小銭しか使えない場合がほとんどなので500円程度は100円玉で用意していくと安心です。普段使いのお財布ではなく、軽量の登山用のミニ財布を使うと便利です。
〇スマホ・保険証
緊急時の連絡に使用したり、怪我をした際に必要となります。
〇熊ベル・ラジオ
昨今、熊被害が日本全国で相次いでいます。熊ベルやラジオを使用して少しでも人間の存在を知らせ、出会わないような対策をして出かけましょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
しっかり準備することも登山の楽しみの一つです。
登山の装備で大切な事は、『万が一に備える』ことがとても重要です。
登りたい山をしっかり調べて、自分にフィットするアイテムをぜひ探してみて下さいね!
登山道具の選び方で分からない時は、トレファクスポーツ各店スタッフまで、お気軽にお声がけ下さい!
皆様のご来店お待ちしています!