投稿日:2020.07.14 | 最終更新日:2020.09.03
こんな困ったことにもなりますよ、という私自身の実例も交えて編集してみました。
キャンプ用品の中でも重要な位置を占めるのがランタンです。
都会と違って、キャンプ場は街灯なども最小限となっており、非常に暗いです。
ランタンも種類や用途が色々とあるので、一言でランタンと言っても、適した使い方をしないとキャンプしている間に不自由な思いをすることになってしまいます。
今回は、間違いのないランタンの選び方を解説してみたいと思います。
ランタンを用途別に選ぶ!
用途別っていっても、明るくするのがランタンの役割じゃないの?
と思われる方もいるかも知れません。
それはそうなのですが、どの範囲を明るくするのか?というのが実は重要なポイントになります。
キャンプ用のランタンの用途は主に以下の3つがあります。
- ①テントサイト全体を照らすメインランタン
- ②調理作業中や食事時に手元を明るくするサブランタン
- ③テント内やトイレに行くときにつかう携帯用ランタン
主にメインランタンとサブランタンについて解説していきます。
①メインランタンについて
メインランタンは、キャンプサイト全体を照らす役割があります。
サイトとは、区切られている場合であれば概ね10m×10mくらいのスペースで、その中にテントをたてたり、食事場所をつくったりします。
暗闇の中、そのスペースを明るくすることが求められるので、ランタンの中でも特に明るい性能が求められます。
テントやタープはロープで固定するので、サイトが明るくないと特に子どもなどがロープでつまづいて思わぬ怪我をすることがあります。(実例①)
そうした観点からも明るさを確保しておきたいところです。
もうひとつの効果として、食事をする場所から少し離れた場所にメインランタンを設置することで、光に引き寄せられる蛾などの虫をそちらに寄せることが出来ます。
せっかく作った食事に虫がダイブする(実例②)というリスクを多少なりとも避けることが出来ます。
②サブランタンについて
メインランタンを明るくしてしまえばそれで事足りるように感じますが、
実際のサイト内はタープや人影などで、手元が暗くなってしまうことが多いです。
そこでテーブルの上などにサブランタンを設置することで、手元を明るくすることが出来ます。
サブランタンがないと、BBQなどで焼け具合が判断できなかったり、調味料などの量が見えにくくて調理がしづらい(実例③)ことがあります。
③携帯用のランタンについて
最後は、携帯用のランタン。
主にテント内で寝るまでの間使ったり、トイレに行くときなどに使います。
サブランタンでも良いのですが、調理中にトイレに行くときなど、特にファミリーの場合はサブランタン以外で持っていないと不便なこと(実例④)があります。
最悪、スマホのライトなどでもいいのですが、山奥など電波状況が良くないところだとバッテリーの減りも激しい(実例⑤)ので、なるべく温存しておきたいところです。
気軽に使えて、軽いものを準備するのが良いでしょう。
ランタンを種類ごとに選ぶ
メインランタンとサブランタンの用途を理解したところで、種類別のランタンについて解説していきます。
ランタンの種類によって明るさや適した用途が違うのでとても重要なポイントです。
今回は、以下の5つのタイプのランタンについて解説していきます。
- ガソリンランタン
- ガスランタン
- LEDランタン(バッテリー内蔵型)
- LEDランタン(乾電池式)
- オイルランタン
100年以上の歴史を持つ伝統的な野外用ランタン!ガソリンランタン
ガソリンランタンの歴史は古く、20世紀初頭にさかのぼります。
もちろん、当時は野外用というわけではなく、日常的に使用する明かりでした。
ガソリンランタンの特徴は何と言ってもその明るさにあります。
アウトドアの世界でも長いことメインランタンの筆頭としての役割を担ってきました。
しかしデメリットがないわけでは有りません。
ホワイトガソリンという燃料を使用しますが、アウトドア専門店などで入手することになり、購入場所は限られてしまいます。
また、マントルという消耗品をつかうのですが、存外破れやすく、マントルが破れてしまうとランタンとして使えなくなってしまいます。
さらには、ポンピングと言ってタンク内に加圧する作業があり、初心者キャンパーには、手を出しにくいかもしれません。
ガソリンランタンの明るさに手軽な使用方法!ガスランタン
燃料をガスに代えたことでガソリンランタンのポンピングなどの作業をなくし、より簡単に使えるようにしたのがガスランタンです。
マントルこそ必要ですが、ガス缶さえセットしてしまえば、ボタン一つでガソリンランタンと同等の明るさを手に入れることができます。
ガスランタンにもデメリットがあります。
先述のマントルの使用に加え、ガソリンランタンと比較しても連続使用時間が短いことです。カセットガスタイプの場合、1本で3~4時間程度ですので、時期によっては一晩の使用がもたないこと(実例⑥)もあります。
メインランタン界のニューウェーブ バッテリー内蔵型のLEDランタン
少し前までは、LEDランタンは決して明るいものでは有りませんでしたが、
リチウムイオン電池の普及により、非常に明るい製品が続々と登場し、メインランタンの座をガソリンランタンから奪っています。
最近では、2700ルーメンという照明器具並みの明るさを携帯電話くらいのサイズで実現するものも有り、技術は日進月歩です。
バッテリー内蔵型のタイプによっては、携帯電話を充電できる機能があるものなど非常に便利です。
ポータブル電源を兼ねていて、スマホに充電できるものもあり、ランタン以外でも用途は多様です。
現在のところ、メインランタンの中では明るさと手軽さという点では、トップクラスです。
燃料系のランタンにハードルを感じる初心者の方にも非常に扱いやすいランタンです。
ひとつ難点をあげるとすれば、充電を忘れてしまうと、再び使えるようになる場では長い時間を要してしまうことです。(実例⑦)
また充電ができない環境では、充電が足りるかどうか不安になるという点は見逃せないところです。
連泊のときなどには注意したい点ですね。
急な災害時にも強い!安定の電池式LEDランタン
乾電池式のランタン自体はそれこそ何十年も前からありますが、明るいLED電球の登場で性能は飛躍的に向上しました。
一昔前は、重い単一電池を何本も入れて、一晩で電池がなくなってしまうようなものが主流でした。
最近のものは、単三電池数本で明るさを欲張らなければ数十時間持つものも珍しく有りません。
電池は比較的どこでも手に入りやすく、電池を入れればすぐに使えるというのも大きな魅力のひとつです。
LEDの進化により、明るさも大きく向上し、メインランタンまではいかなくても、サブランタンとしては十分な機能を持っています。
1/fの炎のゆらぎが郷愁を誘う雰囲気抜群のオイルランタン
オイルランタンの歴史は、19世紀後半から始まっています。
世界的に有名なオイルランタンのメーカー、フュアーハンドがあるドイツでは、1970年代までは道路工事等でも利用されていたようです。
行灯のようにただ油を灯しているわけではなく、温められた空気でランタン内に対流を産み、新鮮な空気を炎に供給する仕組みとなっています。
説明すると長くなるので省略しますが、この仕組はコールドブラストと言われる機能で20世紀初頭にC.T.Ham社が開発し、当時アメリカのこの分野でリーディングカンパニーだったDIETZ(デイツ)社がこれを買収しています。
そして、現在販売されているオイルランタンのほとんどがコールドブラストを採用しています。
オイルランタンの特徴は、何と言っても雰囲気の良さ。
なにせ20世紀の初めからオイルランタンの構造はほとんど変わっておらず、置いてあるだけでアンティークな雰囲気が出ます。
加えて、炎を灯しているオイルランタンは、1/fゆらぎというリラックス効果があります。
燃料は必要ですが、満タンにすれば3日近く燃え続けるものがほとんどで、少々のキャンプでは燃料の補充の必要もないでしょう。
その分、明るさは他のランタンには大きく劣り、概ねガスやガソリンランタンの1/10程度の明るさと思ってください。
ファミリーキャンプで活躍するには少し物足りない明るさですが、焚き火を楽しむことをメインにしたソロキャンプでは大活躍のランタンです。
まとめ
ランタンの種類と用途などをまとめると以下のようになります(※機種によって多少異なります)。
ランタンの種類 | 明るさ | 手軽さ | 持続時間 | 雰囲気 | 必要なもの | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガソリンランタン | ◎ | △ | ◯ | ○ | マントル/ホワイトガソリン | ポンピング作業有り |
ガスランタン | ◎ | ◯ | △ | △ | マントル/ガス | 点灯時間3~4時間ほど |
バッテリー内蔵LED | ◎ | ◎ | ◯ | △ | 事前の充電 | 充電忘れるとすぐに使えない |
電池式LED | ◯ | ◎ | ◯ | △ | 電池数本 | 電池さえあればすぐに使える |
オイルランタン | △ | ◯ | ◎ | ◎ | 灯油またはパラフィンオイル | 他と比べて暗い |
ファミリーキャンプの場合は、安全性の確保の観点からもメインランタンは何かしら持っておいたほうが良いです。
取り扱いの安全性の観点から言えば、バッテリー内蔵LED>>>>ガスランタン>>>ガソリンランタンという感じでしょうか。
ですのでキャンプに慣れていないビギナーキャンパーはメインランタンをLEDかガスにするのが良いでしょう。
サブランタンは、できればメインランタンとは違う種類のものを持っておくと不測の事態にも対処がしやすいです。
安定性と安全性の観点から言えば、サブランタンには電池式のLEDランタンが最も適していると言えます。
サブランタンはテーブルランタンとしても使うことが多いのですが、メインを燃料系のランタンにして、サブランタンをLEDにしておくと多少なりとも虫をメイン側に寄せることが出来ます。
燃料系のあかりは虫を寄せやすく、紫外線を発生しないLEDは虫を寄せにくいからです。
キャンプに少し慣れてきたら、燃料系のランタンにもチャレンジしてみると良いでしょう。
ポンピングなどの作業も慣れてくると、それ自体がキャンプに来たことを実感させてくれる大切な儀式となりますし、心地よい燃焼音とともに与えてくれる明るさは、LEDなどにはない柔らかくて力強い光です。
キャンプ道具にハマる人たちは、大概このランタンの光と機能美にヤラれて、つい必要数以上に買い集めてしまいますが、それもまたキャンプの楽しみのひとつです!