“奥が深い” 【寝袋(シュラフ)】の選ぶポイントと基礎知識

投稿日:2023.08.30

さぁキャンプを始めるぞ!!と思ってお店にいくとびっくりするのが、キャンプ道具の種類の多さ!
数多あるキャンプ道具の中から、どれが本当に必要なのかを見つけるのは本当に大変です。
その中でも、キャンプを安全に快適に過ごすために必要な道具、寝袋の選び方を今回はご紹介していきます。
 
初めての方でも分かりやすいように、下記のような順番でご紹介しますね。
 
  1. シーズン別おすすめ寝袋の種類
  2. 寝袋を選ぶときの基礎知識とポイント
  3. 万が一に備えた準備
  4. 使用後のメンテナンス
  5. 一歩踏み込む豆知識
 

シーズン別おすすめ寝袋の種類

最初からおすすめってどういうこと?と思われるかも知れませんが、
具体的に寝袋のイメージを掴んで頂くのに最初にご紹介しちゃいます!
細かい用語や選ぶポイントなどは次の見出しでご説明しますね。

 

春や秋にキャンプを楽しみたい方向け|3シーズン用寝袋

春や秋など、昼間は暖かいけど、夜はちょっと冷え込むような時期にキャンプを楽しみたいと言う方には、3シーズン用の寝袋がおすすめです。特にマミー型のもの。

おすすめのメーカーはモンベル、イスカの2メーカー。

モンベル・イスカはどちらも価格と性能のバランスが高いです。
どちらも国産登山メーカーとして有名です。
モンベルの方が商品流通量が多く、入手しやすいかもしれません。

その2社の中で、快適使用温度が10度〜0度と表示されている商品が春や秋(4~6月、9〜11月)のキャンプにはおすすめです。

 

夏にキャンプを楽しみたい方向け|夏用寝袋

7月8月の夏の時期にだけキャンプを楽しみたいよーという方には、封筒型の夏用寝袋がおすすめです。
メーカーとしては、コールマンやロゴスなどのメーカーが低価格で夏用寝袋を出しています。
平地のキャンプであれば、ご自宅にあるブランケットなどでも十分対応できますが、
山間のキャンプ場では夏でも夜間は肌寒くなる場合があります。
快適使用温度が20度〜15度と表示されている商品が夏のキャンプにはおすすめです。

 

冬にキャンプを楽しみたい方向け|冬用寝袋

もし12月〜3月までの冬時期にキャンプをしたいと思われている方がいるならば、冬用寝袋を必ず準備しましょう。
この時期は本当に注意をしないと命の危険さえ感じる季節。
寝袋は特に重要になりますので、冬用寝袋が必須です。
その代わり、値段もお高くなる傾向がありますので、その辺りも十分加味した上で検討しましょう。

目安としては快適使用温度が-10度から-20度のものを準備したほうが良いです。
ナンガというメーカーのダウンを使用した寝袋が人気です。

ベテランキャンパー憧れのナンガ。日の丸マークがしめす通り国産です。
 

寝袋を選ぶときの基礎知識とポイント

寝袋を選ぶ際の一番のポイントとしては、「自分がどの季節にキャンプをしたいか」をはっきりさせることにあります。
キャンプの夜を快適に過ごせるかどうかは、かなり重要です。
寝袋は使用する季節によってガラリと変わりますので、自分に合った寝袋選びをしましょう。

ちなみにとにかくキャンプを試してみたい!という方は、
7月8月の気温の心配がない時期にまずは封筒型の夏用寝袋を購入して試してみるのも手です。
比較的安い寝袋も多く、後々買い替えたとしても使いみちはありますので!

 

【一番重要】寝袋の快適使用温度って何?

さきほどチラッと出てきました、快適使用温度についてご説明します。
このあと、寝袋の形や使っている素材の説明もしますが、何はともあれいちばん重要なポイントがこの快適使用温度です。

簡単に言うと「夜から朝にかけて快適に眠れる使用気温帯」です。
例えば、快適使用温度が10度となっている寝袋は、「夜から朝にかけて10度までの気温だったら暖かく眠れますよー」という意味です。
なので、自分がどのくらいの気温のときにキャンプを楽しみたいかに合わせた快適使用温度の寝袋を選ぶと良いことになります。

最初のおすすめに出てきた3シーズン用、夏用、冬用はこの快適使用気温をもとに分かりやすく分別したものです。

ただ、これは各メーカーで統一されているようでされていないので、メーカーにより表記が異なったり、使用時の状況が異なる場合があります。
なので、想定している気温よりも2~5度位低い気温でも使えるものを選ぶと安心です。

「EN TESTED」というのはヨーロピアン・ノームという欧州の統一規格。
Comfortは、男性よりも寒さを感じやすい一般女性が快適と感じられる温度域のこと。

そもそもキャンプ場の気温が分からない時は気象庁のHPをチェック!

このウェブサイトでは地域ごとの過去の気温データが遡れるようになっています。実際に行くキャンプ場の過去の同じ時期の最低気温を調べておくと寝袋に求められるスペックが分かります。ただし、キャンプ場は、データの基準としている地点よりも標高が高い場所にあることが多いので注意が必要です。

 

寝袋の形状は3つ!

寝袋には3つの形状があり、それぞれでメリットが異なります。 まず1つ目はマミー型。
頭部まですっぽり収まる形がマミー(ミイラ)を想像させるのでマミー型。
首からの冷気を遮断できるので、寒い時期用の寝袋に多い形です。

次に封筒型。
長方形の形で、上から見ると封筒のように見えることが呼ばれています。
足回り広いので寝返りが打ちやすく、首周りが覆われていないので夏用寝袋によく見られます。

最後にハイブリッド型です。
マミー型のような頭周りと、封筒型のような広い足回りで暖かさと快適さを両立した寝袋です。
3シーズン用寝袋に最近見られる形ですね。



秋や春にキャンプを楽しみたい方は、マミー型かハイブリッド型、夏にキャンプを楽しみたい方は封筒型、冬に楽しみたい方はマミー型を選ぶとよいでしょう。

寝袋の形状の違いについては、【初心者向け】テント泊キャンプの持ち物、装備~テント周辺装備編~の記事でもご紹介していますので、そちらも併せて御覧ください!

 

寝袋の素材は2つ

あとは、寝袋の中綿の素材にも種類があります。化学繊維とダウンです。

コールマンのものが一般的なキャンプ用シュラフ。対して黄色いのは登山用のダウンシュラフ。

化学繊維は、ポリエステルなどの素材。
特徴としては【汚れや水分に強く性能が落ちにくい】【価格が安い】【比較的大きい寝袋】です。
その特徴から、レジャーにおけるキャンプで使用される寝袋に多いです。

 

ダウンは、お洋服にあるダウンジャケットと同じ素材。
特徴としては【保温性に優れる】【軽く収納サイズが小さい】【汚れや水分に弱い】【高いお値段】です。
主に荷物を小さく、軽く収めたい登山キャンプで使用される寝袋に多いです

車に十分な積載がある場合は、化学繊維素材の寝袋をチョイスすることをおすすめします。
一方で収納性を高めたい方や寒い時期にもキャンプに行きたいという方はダウン素材の寝袋の方がいい場合が多いです。

化繊のシュラフもダウンのシュラフも就寝する時間よりもかなり早めに準備して、空気をたくさん含ませることで本来の機能を発揮します。
寝る場所が決まったらすぐに収納袋から出しておきましょう。

 

寝袋を使ったあとはどうするの?メンテナンスのお話

次に寝袋を使ったあとのメンテナンスについてのお話です。

 

キャンプ場で出来るメンテナンス

寝袋を使ったあとはそのまましまってしまうのはNG!
お布団と同じでちゃんと干しましょう。
キャンプの朝起きたらすぐに寝袋を干すのがおすすめです。
チェックアウトの時間が10時や11時に設定されている所が多いので、その際は車の窓枠に干したり、テントの上に載せたりなどして、なるべく早く干し始めると良いでしょう。

 

たくさんキャンプに行った年や、夏キャンプが終わったらやったほうが良いメンテナンス

また、たくさんキャンプに行った年(例えば10から20泊など)や、夏の間にキャンプを楽しんだ時は、シーズンが終わったあとに丸洗いしちゃいましょう。
ご自宅でも簡単に寝袋を丸洗い出来る方法があります。(この辺りはまた別の記事でご紹介出来れば!)

 

おまけ|寝袋に関する一歩踏み込んだ豆知識

 

インナーシュラフ、シュラフカバー

また、インナーシュラフやシュラフカバーという、寝袋のオプションみたいな道具もあります。シュラフというのは寝袋をさすドイツ語なんですが、インナーシュラフは、寝袋の中に入れる寝袋のようなものです。インナーシュラフを入れることによって、寝袋の性能を底上げしたり、寝袋内部の汚れ防止、肌さわりを良くして寝心地アップ!などの効果が得られます。

また、シュラフカバーは逆に寝袋を入れる寝袋のようなものです。効果としては、寝袋をテント内の結露から守ったり(寝袋は濡れると性能が落ちてしまう!)、焚き火の火の粉から寝袋を守る(そんな状況で寝袋に入るのかは分かりませんが)というようなものです。

マミーシュラフにシュラフカバーを装着した画像
 

というわけで、今回、キャンプ道具の中でも大事なもののひとつ、寝袋についてのお話でした。
本当に色々なメーカーから色々な種類の寝袋が出ていて、なかなか選ぶのも難しいと思います。
事前に「どの季節にキャンプを楽しみたいのか」「どれくらいの気温になりそうなのか」を想像して、お店にいって店員さんにご相談頂くのが近道です。

 

トレファクスポーツにはキャンプを楽しむスタッフが沢山!!ぜひご相談ください!