投稿日:2020.06.29 | 最終更新日:2020.07.02
※こちらの記事に出てくる画像はすべてトレファクスポーツで買取させていただいたものになります(全て販売済みのものになります)。
トレファクスポーツでは、ビンテージキャンプギアの取り扱いを積極的におこなっております。
一言で「ビンテージ」とはいっても10数年くらい前の製品から中には100年!くらい前のアイテムまであるんです。
上の写真のランタンはColeman(コールマン)製。正確な製造年は分かりませんが、およそ1920年代のものとされ、およそ100年前の製品ということになります。
上のランタン、というよりもランプも1920年代から1930年くらいの製品とされています。
上の2つのランタンに共通するのは、現在のようなアウトドア活動用に作られたものではない、ということになります。
1920年代当時のアメリカといえば、一般家庭に電気が普及され始めた頃ですが、それも都市部中心で、農村部では燃料式のランプがまだまだ現役だったようです。
最初の画像のランタンは、鶏小屋で産卵を促すために作られたもので、そのため、点灯時間を長くする目的で燃料タンクがかなり大きくなっています。
ビンテージの製品は当時の時代背景なども考慮して、今現在に至るまで使われていることへのストーリーに思いを馳せることも楽しみのひとつです。
ビンテージキャンプギアの王道 Coleman 200Aランタン
キャンプギアのビンテージといえば、その王道はColemanの200Aランタンです。
1951年から1984年頃まで30年以上もの間、マイナーチェンジを繰り返しながら発売されてきました。
上の画像もよく見てみると、同じようなランタンですが少しずつ趣が異なります。
Colemanのビンテージファンは、製造年代によるこうした微妙な違いを楽しみ、相性をつけて親しんでいます。
例を上げると、上の画像の一番右のツマミが他のものと異なり黒い色なのが分かりますでしょうか。
このモデルは通称「ブラックバルブ」です。
左の2つも少しなにか違いますが分かりますでしょうか?
ベンチレーター(ベンチと呼ぶと通っぽいです)というベルのような形の部品が少し縦に長くなっています。
この仕様変更は1963年頃を境に見られるようになっています。
右の画像は、ちょうど1964年製の200Aのベンチです。
前期型と比べると寸詰まりしています。
もう一度並んだ画像を見てください。
左から2番めのものは、ロゴステッカーの周りに枠がないように見えますね。
実は枠がないのではなく、本体と同化して分かりづらいのですが赤い枠があります。なので、赤枠(レッドボーダー)。
この赤枠の時期にちょうど仕様変更が行われ、赤枠にはベンチが2種類存在します。
この画像のものはベンチが長いタイプなので、前期型。
よって、こちらは赤枠の前期型(1963年以前)という事になります。
200Aランタンについて語ると終わらなくなるのでこの辺にさせていただきます。
Colemanのその他のビンテージ
200A同様ホワイトガソリンを燃料とするランタンなのですが、
SEARS(シアーズ)というかつてアメリカで流通業を制覇した会社がプライベートブランドとしてColemanにつくらせていたランタンです。
星型のバルブ(ツマミ)が特徴的です。
SEARSのモデルは、通常のColemanランタンよりも希少性が高く、人気も高いです。
2018年に、SEARS社は巨額の負債を抱えて経営破綻しました。
100年をゆうに超える歴史があり、かのドラッカーをして「全米で最も成功した企業のひとつ」と言わしめた企業も時代の流れに飲み込まれていきました。
SEARSのランタンが出されていた1960年代から70年代にかけて、SEARS社はまさに栄華を極めていた時代でした。
ガソリンバーナーも定番のビンテージコールマンです。
元々はGIストーブというバーナーが基礎になっていますが、これは第2次世界大戦中にアメリカ政府がColeman社などに制作を依頼したものです。
軍からの要求水準は「地球上のあらゆる極地で使用でき、かつ1㍑弱の缶に収まること」でした。
有名な従軍記者が、武器以外の重要な戦時発明品としてジープとGIストーブをあげています。
ランタンにしてもこうしたストーブにしても、ビンテージコールマンの大きな魅力は、メンテナンスをすればほとんどのものがまだ使用できる、という点にあります。
道具はつかってこそ、ということですね。
そして、ビンテージコールマンの魅力のひとつは、Colemanの歴史はアメリカの歴史でもあるということ。
製品が生み出された背景などを知っておくと、よりビンテージの世界にのめりこむことができます。
ビンテージコールマンは、アメリカ以外ではカナダなどにもありますし、他にもクーラーボックスやジャグなど多岐にわたるのですが今回はこのくらいにしておきたいと思います。
Coleman以外のビンテージキャンプギア
Coleman以外にもビンテージのキャンプギアはあります。
そうしたビンテージギアのなかでも人気のアイテムは、ランタンやストーブなどの燃焼系のアイテムになります。
ヨーロッパに目を向けると、北欧を中心に燃焼系のビンテージアイテムに人気があります。
1892年にスウェーデンの発明家リンドクヴィストが、加圧式ポータブルストーブの開発に成功し、後のPRIMUS(プリムス)社を興しました。
PRIMUSが開発したこのプリムスストーブは、かのロアール・アムンセンが人類初の南極点到達をした際に携行されるなど、世界の冒険家に愛用されました。
一方で、その高い安定性、堅牢性を生み出すシンプルな構造は、世界中で模倣され量産されることとなりました。
この分野でのビンテージアイテムは、米国ではColeman社に偏っていますが、対して欧州では、かなり多くのブランドが存在しています。
ブランドの買収や技術部門の売却などが繰り返され多様化していったためです。
例えば、このプリムスストーブを生み出したPRIMUS社は、灯油ストーブの技術部門を1960年代にOPTIMUS(オプティマス)社に売却しています。
そのOPTIMUSのビンテージアイテムも人気の高いアイテムです。
OPTIMUSのビンテージアイテムの中で根強い人気があるのが箱型のストーブ、通称箱スト と呼ばれるものです。
OPTIMUSも、PRIMUSの灯油部門の他、SVEA(スヴェア)ブランド、RADIUS(ラジウス)社を買収し現在に至ります。
ビンテージの世界ではままあることですが、買収されて、なくなってしまったブランドを愛でる趣もあります。
すでに消滅したブランドのため、歴史を辿るのが難しく非常に奥が深いです。
欧州におけるビンテージキャンプギアは、ブランドの淘汰の歴史を背景として捉えておくと非常に趣深いですね。
また、今回は取り上げていませんが、欧州のランタンもVAPALUX(ヴェイパラックス:英)やPETROMAX(ペトロマックス:独)などもあって、こちらも非常に奥が深いですよ。
燃焼器具以外のビンテージキャンプギア
ビンテージのキャンプギアは、燃焼系のアイテムに人気が寄っていますが、燃焼系以外にもあります。
燃焼系のアイテムは、そこまでかさばらないのでコレクションの対象になりやすいのかもしれませんが、ファニチャーや幕などは数を集めるのにはあまり向いていないのかもしれませんね。
また、テントなどの幕系は、経年による劣化も出やすいため実用に向きにくい、という理由もあります。
例外的に、ビンテージの幕として高い人気を保ち続けているのがMOSS(モス)のテントです。
燃焼系と比較すると歴史は浅くなりますが、人気の秘密はそのデザイン性の高さ。スターゲイザーⅡというモデルが、キャンプ用品としては唯一ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに選ばれています。
燃焼器具やテントなどと比べると非常に地味ですが、キャンパーにはおなじみのシェラカップなどにもビンテージ品があります。
シェラカップの元祖と言われているのが、画像右下のシェラクラブのもの。元々は環境保護の募金を目的としたものだそうです。
左のものは、シェラカップをより使いやすいものにしようと愛好家が改良したロッキーカップ。商標登録されています。
ロッキーカップはすでに廃盤となっており、残存数も少ないことから希少となっています。
トレファクスポーツではビンテージキャンプギアの買取を強化しています!
他にもビンテージキャンプギアは多岐にわたります。
今回、紹介はできませんが、ジャパンビンテージと呼ばれるようなジャンルもあります。
トレファクスポーツでは、記事でご紹介したようなビンテージキャンプギアを買取強化しております。
ビンテージかどうかよく分からない!というようなものも、拝見させていただいた上でご説明いたします。
また、売るつもりがなくても、大体いくらくらいかな?というようなお見積りのご相談もお受けいたしますので是非スタッフにご相談下さい。